読書

空の中

空の中

これはひっさしぶりにキました。年に何度かしか無い大当たりを引いた気分。ずっと気になってはいて、いつか読もうとは思ってたんですが、SFでちょっと分厚いこともあって手が伸びなかったの。でもいざ読み始めたら一瞬だった。むちゃくちゃ面白かった。

粗筋はというと、高度2万メートルの空に突如現れた巨大な未確認生物とのファーストコンタクト。怪獣もの?って思って、SFそんな得意じゃないしどうよ、と思ってたんだけど、そういうとっつきにくさは全然無かったです。そもそもその生物【白鯨】も人語を解する知的生命体で、白い円盤みたいなので怪獣って感じしないし。ライトノベルからデビューした作家だけあってすごく読み易いし、冒険小説みたいな面白さがあって、青春小説でもあり、他にも飛行機とか恋愛方面とか色々楽しめます。とにかく全体的な物語がすごく良く出来てて面白い。ひとつひとつの展開がすごく、うわーおいしいなーと思うような進み方で、読みたい方向に読ませてくれる感じがとても気持ちいい。

あと、登場人物もすごく良い。私的に高巳と光稀がすげえ萌えだったんですよ。ふたりの会話のシーンになると楽しくて顔がにやにやしちゃってやばかった。つうか高巳がめっちゃ好きだーー。口がうまくて頭が良くて回転速くて、ライトで飄々としてて。高巳と【白鯨】の交渉のシーンなんて大好きですよ。言葉遊びみたいな感じもあってすごい楽しめました。あと瞬も佳江もいいし、宮じいは特に素晴らしい。高知弁はいい味だしてます。

しかしこれを読みはじめてからは他の何も手につかないくらい、ものすごい没頭して必死に読んでた。実質2日くらいで読んでしまいました。めちゃめちゃ幸せな時間でしたよ。読んで良かったー。すごくおすすめです。しかしこうなると「海の底」が気になるところです。最初は「空の中」と「海の底」で両方怪獣ものってどうなの、とか思っていたのですが、読みたくなってきた…期待を裏切られそうで怖くもあるけど。

<17冊目>