名もなき毒

名もなき毒

名もなき毒

ちょっと今更だけど。シリーズ2作目だけど「誰か」よりは好きだったかと思います。青酸カリを用いた無差別連続殺人事件と、主人公の身の回りで起きた事件が描かれています。何気なく読んでいるうちに、“毒”というテーマが浮かび上がり、それに読み手も蝕まれていく。何より怖いのは人間だという話ですが、怖いだけでなく悲しい、辛い、苦しい。宮部みゆきは高校大学くらいのときに好きで読んでいて、久々に今回読んだんですけどやはり面白いなぁと思います。トントンと読んでしまう感じと、あとキャラクターが魅力的。主人公の義父・今多嘉親がとても良いなと。前作では単なる金持ちという風にしか感じてなかったんですが印象が変わりました。あと秋山さんや北見さんも素敵でした。

<52冊目>