楽園 下

楽園 下

楽園 下

宮部さんはずっと好きで現代小説は殆ど読んでいますが、最近エンターテイメントとしてのカタルシスが薄れてきてるような気がします。楽しいものでも深刻なものでも、それをエンタメとして面白く読ませる力があると思ってたんだけど、最近は伝えたいことをつらつら書いているだけに見えるというか。何というか心にガツンと来ない感じ。技術はすごいので読んでて面白いのは面白いけどね。核心に迫っていく途中は気になってどんどん読めました。宮部さんらしい人間に対する優しさがあって、後味は良くない感じなんですけど救われるところもあります。あとがきに、自身が見た夢が着想の元、という風に書かれていましたが、そんな感じかなぁと思った。面白いけど今ひとつまとまらない。

<36冊目>