波打ち際の蛍

波打ち際の蛍

波打ち際の蛍

島本さん久々の長編恋愛小説。触れたいけど触れられない、切ない恋のお話です。島本さんらしく、毎日の生活、一つ一つの言葉をとても大切に積み重ねてひとつの物語になっていて、読んでいて落ち着く。ただ今回は登場人物がトラウマを抱えているので、苦しい場面もありました。主人公もだけれど、彼女が好きになる蛍も、優しいけど完璧じゃなくて欠点もたくさんある。でも二人とも不器用で弱い人間だからこそ、読んでいて気持ちを寄せられるのかなと思います。

<60冊目>