太陽の坐る場所

太陽の坐る場所

太陽の坐る場所

初の文藝春秋からの出版。卒業から10年、高校のクラス会に集まった男女の話題は、女優になったクラスメート「キョウコ」。彼女を次のクラス会に呼ぼうと、それぞれ動き出す。これまでの優しい物語とは違って、人間の怖い部分、汚い部分が表れた小説で驚きました。泥は自分の中にもあるけれど、普段は知らないし見ないようにしてる、そこにズキズキと刺さって痛む。他人の中にある泥も感じて、人が怖く思えるくらい。読んでいる間は辛いとも思ったのですが、辻村さんらしい仕掛けがあったり、最後は切ない部分もあり良かったです。

<95冊目>