儚い羊たちの祝宴

儚い羊たちの祝宴

儚い羊たちの祝宴

ミステリの醍醐味“ラスト一行の衝撃”にこだわり作られた連作短編集。どれも上流階級の家に関わる人間が主人公となっており“バベルの会”と呼ばれる読書サークルがそれぞれの話を繋げる役割を果たしています。米澤さんのミステリはいつも精緻で美しいけれど、この作品にはそれが特に出ていると感じました。旧家名家の醸し出す静謐な空気や、そこに生きる人たちの悪意や哀しみ、それらを包み一枚の絵のように仕立てるミステリの美しさ。私が好きなのは『山荘秘聞』『玉野五十鈴の誉れ』。でもどれも面白かった。久々に読み終わるのが勿体無いと感じた本でした。

<13冊目>