聖の青春

聖の青春 (講談社文庫)

聖の青春 (講談社文庫)

重い病と戦い、29歳の若さで夭逝した天才棋士村山聖の将棋にかけた一生を描いたノンフィクション。誰にでも一生残る本というものがあると思うのですが、これは私の心に生涯刻まれる本になりました。子供の頃から腎臓の病を抱え、病院のベッドの上で将棋に出会い、名人になりたいという夢に命を燃やしつくした村山。過ぎ去る一瞬の重みを知っているからこそ、一局にすべてを賭けることができる。家族の支え、師匠の愛、ライバル達との友情、たくさんのつながりのなかで、純粋に将棋を愛し生き抜いた一生に、何度も涙を流し最後には号泣してしまいました。

色んなエピソードに泣かされますが、村山の住まいの近所にある会社のおじさんが、少ししか出てこないながらも印象に残っています。優しい人がたくさんいます。自分も優しく強くありたい、そう思わせてくれる本。

<47冊目>