読書

ナラタージュ

ナラタージュ

装丁が大好きです。緑色が素晴らしくキレイ。内容はすっごい面白かった。初めて読む作家だしそんなに期待もしてなくて、ちょっと試しに読んでみよーって感じで手を出したもので、あまりに夢中で読んでる自分にびっくりした。私恋愛小説あんまり好きじゃないんですよ。何か独りよがりな感じがダメで。だけどこれは本当に面白かった。あんまり良くて上手く感想が語れないほど。泉の、葉山先生を想う気持ちがめちゃくちゃ刺さる。狂おしいほど愛しい、って言葉は陳腐だけど、読んでてそれをこれほど感じたことはないです。全体で泣きそうになる箇所はいくつもあったんですが、最後の数行でほんとに泣きました。“何度でも”ってところがもう…。切なくて痛い。
全体的な雰囲気もよかったです。文体も好みで。葉山先生の子供みたいに無邪気で弱いところが好き。泉も穏やかだけど芯が強くていい。志緒もけっこう好き。志緒と泉がふたりで公園で話す場面が好きだ。読んでる間ほんとうに夢中で、いつまでも読んでいたかった。こういう出会いがあると幸せな気分になるね。今回図書館だったんだけど、文庫が出たら絶対買おう。

<61冊目>