読書

図南の翼 十二国記 (講談社X文庫)

図南の翼 十二国記 (講談社X文庫)

恭の王になるべくたった一人蓬山に旅立った、十二歳の少女・珠晶の物語。面白かったー。最初はちょっと珠晶の生意気さにイライラっときて、あんまり進まなかったんですが真ん中あたりから一気読み。素晴らしい小説だと思います。生意気に映るのは真っ直ぐだから。ちゃんと“正しいこと”を知っていて、己の間違いに気付けば正せる珠晶が素晴らしい。終盤で彼女が自分の気持ちを語る場面がすごく良い…本当に色々考えさせられる小説だと思う。十二国記では陽子がらみの話が小気味良い感じで好きなのですが、珠晶のほうが勢いがあるかもしれない。見ていてとても気持ちよくて楽しい。誰も彼も珠晶に引っ張られていく。珠晶と頑丘の絡みとか好きだったな。一国を巻き込める運の強さ、それが王の器。ラストは本当珠晶らしくて最高。惚れるわ。

あと、シリーズの他作を読んでいる人に分かる驚きがあって、すごい鳥肌が立った。普通に泣きそうになったよ。何百年の時間を超えて…。すごいシリーズですね。

<60冊目>