一千一秒の日々

一千一秒の日々

一千一秒の日々

とても良かった。連作短編集で、それぞれ少しずつリンクしていて、ひとつの話で名前が出た人が次の話で主人公だったり、そんな風につながっていく物語。何気ないけどいい話がいっぱいあります。「七月の通り雨」とか「青い夜、緑のフェンス」が好き。加納君っていう登場人物がいて、きまじめで頑固で自分にも他人にも誠実な男の子で私はとても好きなんだけど、この本全体的にそんな感じがする。まっすぐっていうか。淡々としてるけどきれいで、ゆっくり心に沁みてくる感じがします。夏の夜に読むのが合うと思った。気持ちよかったな。

<66冊目>