風が強く吹いている

風が強く吹いている

風が強く吹いている

大学近くのボロアパート竹青荘に住む十人が箱根駅伝を目指すことになる。その殆どが陸上未経験者で…という粗筋。「一瞬の風になれ」が話題になって、その影に隠れがちですが本当にこれは面白い!かなり突拍子も無い設定ですが、リアリティをもって書かれています。素人の状態から成長していく姿が読んでてわくわくできる。アオタケの住人がみんな個性的で、読んでいくにつれどんどん感情移入して愛しくなります。彼らが走ってる場面を読んで何度涙ぐんだことか…それぞれに全力を尽くして必死に走っていて、その姿に心打たれます。個人的に王子がもう…本当偉い。みんな素晴らしい。ただ速さを追い求めるだけじゃなくて、精神的な強さとか、走りという行為のうつくしさとか、それが描かれていて、心が動かされました。楽しめて、泣けて、本当に素晴らしい小説だった。

私の年間ランキングのかなり上位に入りましたね。あまりに面白く余韻に浸りすぎて、次の本に手を付けられないでいます。どうしよう…

<97冊目>