スロウハイツの神様(下)

スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)

スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)

面白くてほぼ一晩で読んでしまいました。上巻の穏やかな感じからは想像できなかった展開で、すごく引き込まれた。こうなるんだろうな、というのは読んでいて分かるのですが、伏線の回収の仕方が本当に見事。色々な台詞やエピソードに意味があったことが分かって、すごく切ない気持ちが隠されていたり…もう完敗と言う他ありません。辿り着いた真相を読んで本当に切なくて幸せな気持ちになりました。うまく行きすぎと言う人もいるかも知れないけど、作者が上巻で書いていたようにこれはおとぎ話だから。こういう物語があってもいいと思う。良さを説明するとネタバレになってしまうので言えませんが…小説や漫画が好きな人なら是非読んでください。書く人、書こうとしている人には更に響くかも。私はかなり影響を受けてしまいました…これを読んで感じた気持ちは忘れられないし、忘れたくないな。

辻村さん80年生まれで私の3歳上なんですよねー。近い世代でこんな面白い小説を書く人がいるのが嬉しくて本当に悔しい。人物描写が本当に巧みだと思うなぁ。いい子なのにこういう恋愛をしちゃうスーとか…エンヤの健全さとか。みんな良かった。あと読み終わったらコウちゃんが大好きになってました。素晴らしいです。

<4冊目>