その日のまえに

その日のまえに

その日のまえに

死による別れを書いた連作短編集。重松清は初めてだったんですが、文章も読みやすく話も良くて面白かったです。何度も泣いてしまいました。家族の死が悲しいテーマであるのは当たり前なんですが、人物など描写がうまくてかなり感情移入した。特にメインで書かれている、妻が末期ガンにかかった夫の話がキましたね。告知されて余命を知ってからの夫婦の苦しみが、すごくリアルで…悲しくて認めたくなくて苦しみながら、現実的な準備もしなきゃならない。その揺れがすごく辛かった。でも悲しいだけでなく、別れのその後も書かれていてそこが良いです。

<34冊目>