スコーレNo.4

スコーレNo.4

スコーレNo.4

すごい良かった。めったにない大当たりを引いた気分。本屋で見かけてはいたんですが、何か軽そうという勝手なイメージを持ってたんですよね。マイミクさんのレビューを見て興味がわいたんですが、本当に読んで良かったです。

主人公の麻子は骨董品店を営む親の長女に生まれて、次女とふたりでひとつのように仲良くしながら、自分よりずっと容姿の可愛い妹に引け目を感じている。スコーレというのはschoolの語源となったギリシャ語だそうです。これは主人公の麻子の小中学生(No.1)から社会人(No.4)までの人生の4つの季節(学校)を描いた小説。

とにかく文章が良くて、繊細な描写を重ねることで日常や人生を作り上げています。柔らかいけど優しいだけじゃなくて、時に痛かったり苦かったり。毒も砂もお砂糖も、すべて混じりあっているから噛みしめる。麻子の抱えるコンプレックスや、社会人になってから仕事に悩む姿に共感できました。あと恋愛の描写が良くて。すごく素敵で温かくて、こんな恋がしたいと思った。最後には仕事や恋愛や人生のすべてが繋がって、とてもとても幸せな気持ちで読み終えました。おすすめです。

<93冊目>