名前探しの放課後(上)

名前探しの放課後(上)

名前探しの放課後(上)

辻村深月初の単行本。でもソフトカバーなんですね。相変わらず綺麗な装丁で大好きです。粗筋は、不可思議なタイムスリップで3ヶ月の時間を遡った主人公が、未来で起きる誰か分からない同級生の自殺を止めるために、友人を巻き込んで自殺者を探しはじめるというもの。学園ミステリで自殺を扱ってるってところがデビュー作の『冷たい校舎の時は止まる』と被るんですが、それとはまた違った雰囲気。予想してたのとはまた違う方向性で、ああそういう感じか〜と納得。これはこれで良い雰囲気で、続きが気になるのもあってどんどん読み進めてしまいます。主人公の依田いつかが、これまでの辻村さんの小説に出てくる男子のタイプと違ってて新鮮。彼を眺める坂崎あすなの目線の方に共感する。その辺の描写がすごく上手いなと思う。あとは、話の中で洋食屋さんが出てくるんですが、ご飯がとてもとても美味しそうで食べてみたくなります。

<99冊目>