空飛ぶ馬

空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

これがデビュー作のようで、すっごく完成度が高くてびっくり。女子大生の主人公が、落語家の円紫さんと出会い、日常の中にある謎を解いていくというミステリー。謎は自分のすぐ傍にある、でも不思議と思わせられるようなもので、推理もとても鮮やかで楽しめます。主人公も探偵役にあたる円紫さんもとても優しい目線を持っていて、真相が人間の悪い側面に関わるものであっても、それに対するかなしみとか切なさみたいなものが静かに沁みてくる。全体的に品があるというか、少し前の小説だからかもしれませんが、落ち着いた雰囲気で良いです。シリーズ第1作なので、続きを読んでいきたいと思います。

<23冊目>