疾走

疾走 上 (角川文庫)

疾走 上 (角川文庫)

疾走 下 (角川文庫)

疾走 下 (角川文庫)

地方の海の近い干拓地に住む主人公シュウジ。父母兄の家族に囲まれ平穏だったはずの生活が、兄の犯した罪によって破綻していく。閉塞感、裏切り、暴力、命、そして自分の罪。すごく辛くて痛い小説で、手を離れているときは、もう読みたくないなぁとか思ってしまうのだけど、ページを開くと引き込まれて止まらない、そういう力がありました。何かから逃げたいと思い、誰かと繋がりたいと願い、走る。行き着いた先はけして優しくないけれど、そこには光があったように思う。最後は涙が出た。

<10、11冊目>