ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (100周年書き下ろし)

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (100周年書き下ろし)

かつて幼馴染だった2人の女性。都会で結婚生活を送りながらフリーライターとして活躍するみずほと、地方で両親と同居する未婚のOL・チエミ。別れたはずの2人の道が、ある事件を機に再び交わる。地方在住の私にはものすごく刺さる内容でした。ここまでのことは無いかもしれないけれど、徐々に追い詰められていく閉塞感はすごく分かる。主人公の友人も、私はこういうタイプではないけれど、こういう人や関係は確かにあると感じさせて、とにかくうまい。母娘とという独特の関係も、読んでいて息苦しくなるリアリティ。女は生まれたときから母親の娘であり、やがて誰かの母親となる。すごく辛い話だけれど、最後にタイトルの意味が分かった瞬間は思わず涙ぐみました。

<93冊目>