読書

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

“ぼく達は、幸せになった。”

読んでしまいました…。何だかもう、胸がいっぱいです。色々叩かれたりもしてるけど、私はこの結末を全肯定。西尾氏が何かのインタビューで“戯言シリーズは所詮全部嘘っぱち”みたいなことを言っていたけれど、そして私もその空虚な絶望感や言葉遊びが大好きだった筈なんですが、いつのまにかいーちゃんが変わっていって。最後はこれから生きていく希望を貰うような、そんな終わりでした。本当に不思議。いつもは文章をただ楽しんでいた要素が強かったのに、いーちゃんと玖渚との会話とか、想影真心との会話とか、哀川さんとの会話とか、いっぱい泣きそうになった。切ない部分も嬉しい部分も、たくさん私の中に響いた。

しかしやっぱり哀川潤は最高ですね!素敵すぎる。どんなことがあろうとも、やっぱりあなたが人類最強だ!ほんとに今回色んな台詞にぐっと来て、ガツンと殴られるようなパワーを貰った。本当に素晴らしい人だ。あと澪標姉妹すっげえ萌えだったよ。何かふつうに使い捨てのヤラれキャラだと思ってて、中巻とかでもうざいなーとか思ってたのに。おいしすぎますこれは。全く西尾維新らしい。下巻で絵本さんや右下るれろがかなり好きになったりして、何かもう、みんな大好き…。そしてやっぱりいーちゃんがね。彼の気持ちとか選択とか、全部が本当に大好きです。終章での彼がいとおしかった。最後の一文は、西尾氏がメフィスト賞に応募したときのクビキリサイクルの元タイトルを知っているだけに感慨深いです。おめでとう。今まで本当にありがとう。最後に、私が最高だと思った二文。

“ぼくの辞書には全ての言葉が載っている――”
“んじゃま、いっちょう戯言――いってみようか。”

<82冊目>



しかしこの数週間数日間、本当に戯言シリーズのことばっかり考えてて、もうこの本に命かかってるってくらいでした。読み終えた今、まるで生きる意味を失ったかのような喪失感でいっぱいです。もう戯言シリーズの新作が出ることはないんだなぁと思うと…。戯言パンフに“まだ読んでないという人が羨ましい。一冊ずつ買って帰れたあの幸せな日々が忘れられません”みたいな本屋店員さんのコメントがありましたが、全く同感です。一年半前に出会って引きずり込まれるように「ヒトクイマジカル」まで一気に読んで、最終巻をどきどきしながら待って。一文字一文字を追っている瞬間は今まで感じたことのない幸福な時間でした。本を読んでこんな快楽を味わうことはもう一生無いような気がする。

あの時クビキリサイクルを手に取った偶然と運命に、心の底から感謝します。間違いなく私の人生の分岐点だったと思う。あの時戯言シリーズに、西尾維新に出会わなければ、今私は本なんて殆ど読まないままだっただろうし。文芸オタクへの道を転がり始めることも無かった(笑)。はてな始めたのだって、ネコソギ上巻発売あたりのここの賑わいに憧れたからですしね。私にとってのすべての始まり。本当に本当に本当に大好き。ありがとう西尾維新。愛してるよ。


戯言シリーズをまだ読んだことない人、是非これからでも。この祭りに乗らないのは勿体無いですよ。目眩めく絶望と希望、立ちまくったキャラと魅力的な設定、何より絶妙な言葉遊び、戯言があなたを待ってます。


(長いなしかし…語りすぎ。しかし一番語りたいところだったので、格好悪いですが許してください)