終末のフール

終末のフール

終末のフール

「8年後に地球に小惑星が落ちてくる」と発表されて5年、世界が終わるまであと3年という世界で、仙台のある団地に住む人たちの生活を切り取った連作短編集。都市生活の色んな機能が麻痺したり、街が荒れていたりするけど、この小説に書かれてる人の生活は静かな感じ。終わりがやってくることへの恐怖はそばにあって、でも自分のやり方で残りの人生を生きてる。「太陽のシール」が無闇に泣けた。ああほんと、素晴らしいよ。「演劇のオール」もすごくあったかくて好きです。この本に書かれてる人、みんな愛しいなと思う。

<71冊目>