ぼくらはみんな、ここにいる

ぼくらはみんな、ここにいる

ぼくらはみんな、ここにいる

ちょっと前にやっていた「神はサイコロを振らない」というドラマが私は好きで、その原作者の方が書いている小説ということで、気になって読んでみました。これが、すごかった…予備知識なしに読んだので、どんな話か知らなかったのですが、まさかこんな物語とは。続きが気になって、とかそんなことを自覚する余裕もなく一心に読み続けて、ふと気がついて本から顔を上げて「あれ、ここどこだっけ?今いつだっけ?」とか思ってしまうくらい引き込まれました。

ある中学校の吹奏楽部員30名が、夏休みに長崎の小島に合宿にやってきて…という始まり。本当は粗筋を事細かに説明したいのですが、実際に読んで驚くほうが何倍も面白いと思うので…。よくこんな小説が書けるなぁとか思っちゃう。登場人物たちの一歩一歩が積み重なって作り上げられる、大きな歴史に感動しました。もっと人間ドラマしてもいいのに、と思う部分もあったのですが、読後感は悪くなかったです。あと、吹奏楽部だけに作中でたくさんの楽曲が演奏されるのですが、それも面白かったな。

<91冊目>