氷点

氷点 (上) (角川文庫 (5025))

氷点 (上) (角川文庫 (5025))

氷点 (下) (角川文庫)

氷点 (下) (角川文庫)

去年にスペシャルドラマをやっていたのを見て、本も読んでみたくなって図書館で借りました。ドラマを見ていて疑問に思っていた登場人物の行動も、小説では理解できてすっきり。40年前の小説なので多少時代背景が違うけど、その分物語の世界に入り込むと面白かった。言葉遣いがきれいだったり生活が地味だったり、現代にはない慎み深さがあるような。舞台が旭川なんですが、雪国の自然の描写も良いです。

作者が敬虔なクリスチャンの方ということで、宗教色が強かったらと不安だったのですが、押し付ける感じがあんまり無く読みやすかった。「原罪」というテーマも、物語とすごく馴染んでいて。“氷点”という言葉は物語の最後に出てくるのですが、それが秀逸。打たれたような感動がありました。早く『続氷点』が読みたいな。

<15、16冊目>