大きな熊が来る前に、おやすみ。

大きな熊が来る前に、おやすみ。

大きな熊が来る前に、おやすみ。

「大きな熊が来る前に、おやすみ。」「クロコダイルの午睡」「猫と君のとなり」の3作からなる中編集。どれも男性から言葉や肉体的な暴力を受けた女性の話で、全体に影がある雰囲気になっています。私は恋愛小説が得意でないんですが、この人の書く恋愛は素直に入ってくるものが多いです。誰かを好きになったときの微かに浮き立つ気持ちとか、心がざわめくような薄暗い不安とか、共感できる。使われてる言葉とか物語の空気も肌に馴染む感じで。「クロコダイルの午睡」は主人公に気持ちが重なって痛かったです。でもすごく分かる、こういうの。あと「猫と君のとなり」がとても良かったです。ほっとするような恋愛で、癒されました。

<42冊目>